Meditation

ヨガは瞑想から始まったもの


ポーズをとるアーサナのことをヨガと考えるようになったのはここ最近のことで、

遥か昔の紀元前に遡ると、元々のヨガは心の対象を外の世界から内側へと向けて、

自身の内側に意識を集中して、純粋な意識・真我に至るプロセスのこと、

すなわち瞑想のことをヨガと捉えていました。


その変遷を辿ってみると、紀元前2000年前後のインダス文明の遺跡モヘンジョダロには、

神が座禅をくむような姿の印章が彫られており、

後にこれは瞑想をしているポーズだと考えられています。


ヴェータ期には、自然を神として崇めて思いながら黙想するという意味で、

目には見えない神を思い続けることとして瞑想という言葉が使われており、

前期のウパニシャッドの頃には、その神の存在を外ではなく、自分の内に求めるようになり、

自分の内に向かって祈りを捧げることが、今現在の瞑想の始まりだと考えられています。


中期のウパニシャッドの頃には、瞑想によって悟りを得たとされる仏陀の影響で、

仏教で瞑想が重要とされていき、ヒンドゥー教にも瞑想が広まっていった。

そして紀元前200年頃の後期のウパニシャッドの頃のマイトリーウパニシャッドで、

瞑想の実践が入ったヨーガの六支則が初めて説かれ、このウパニシャドを経て紀元後5世紀頃に、

パタンジャリによってヨーガスートラで、ヨーガの実践が八支則へとまとめられて、

現在受け継がれているヨーガ哲学へと体系化されていきました。


瞑想の効果について


ビジネス界ではスティーブジョブスが禅や瞑想などをライフワークに取り入れていたそうで、

GoogleやIBMなどのアメリカの企業では研修などでも瞑想が取り入れられており、

イギリスでは小中学校のカリキュラムで瞑想の時間があったり、

ニューヨークではビジネス街を移動するバスの中で瞑想が出来たりと、

欧米では生活の中にとても身近に瞑想があります。

日本では瞑想というと、まだまだ自己啓発の一種のような捉え方をされていたり、

人によってはカルト的な宗教の影響もあってか、

瞑想という言葉に何か漠然とした拒否反応を示す人も少なくないのではないでしょうか。


でも近年は日本でも公的機関で瞑想に関するポジティブな情報が発信されており、

厚生労働省は、瞑想によって体のリラックス感が増し、過敏性腸症候群の緩和や、

血圧の降下、不眠症、鬱病や不安神経症などの緩和などにも効果があると、

瞑想における様々な疾患への効果の研究結果や論文などを公式サイトで公開しています。


フィジカル面では、瞑想を行うことで呼吸が穏やかになり、副交感神経が優位になって、

自律神経のバランスが整えられるので、頭痛や肩こり、不整脈や体のだるさなどの

自律神経の乱れからくる体の不調が改善されるという研究報告もあります。


メンタル面で言うと、瞑想は感情や五感に振り回されないようにする心の訓練のようなもので、

今この瞬間に意識を置くことで、”今在る自分”を繰り返しトレーニングして、

主観や、過去の経験からくる先入観、心の偏りなどを、全てスイッチオフする時間を

自身の内側に与え、本来の自分自身を知ることに繋がっていきます。


無常な人生の中で、忙しく毎日を過ごす私たちは、自分の呼吸すら意識することもなく

日々を終えます。私たちが身体を置く外の世界には本来の意味での幸せは無く、

平穏や至福は自分自身の内側の世界・自身の中にしか有り得ないのではないでしょうか。

まずは目を閉じて自分の呼吸を観察する、丁寧に呼吸を送ることから瞑想を始めて

自ら集中へと向かっていき、そしていずれ自分へと訪れてくる瞑想のその時を、

呼吸を繰り返しながら待ってみませんか。


瞑想を深める為のヨガ

最初にリラックスする為の腹式呼吸、

安定して胡座で座っていく為に、股関節周りを

ほぐすストレッチや、簡単なアーサナを行って

短い瞑想へと入っていきます。